フィリピン留学の費用は大きく「学費・滞在費・入学金」「学校納入費用」「渡航費」「海外旅行保険」「生活費」5つに分けられます。フィリピン留学は費用対効果が高いと言われていますが、その詳細を正確に把握することが重要です。
ここではそれぞれについて項目ごとに詳しく解説します。この記事を通じて、正確な予算計画を立てて、無駄のない留学生活を実現しましょう。
目次
学費と滞在費|フィリピン留学の中心となる費用
学費の基本パッケージとは?
フィリピンの語学学校では、学費に授業料、宿泊費、食費が含まれるパッケージ料金が一般的です。どの学校も別途「入学金」が10,000円~20,000円ほどかかりますが、このパッケージシステムにより個別の費用を計算する手間が省けるため、留学生にとってわかりやすい費用体系になっています。
- 費用の相場:1か月あたり30万~60万円
- 含まれるもの:授業料、寮費、入学金
学校によっては、ランドリーサービスやお部屋の清掃サービスが含まれる場合もあります。これらのサービス内容は事前に確認しておきましょう。
授業スタイルによる費用の違い
語学学校はコースとお部屋タイプによって料金が様々です。ここではコースについて簡単に触れていきます。
- ESL(一般英語):もっとも基本的なコース。英語初心者の方の大半が受講されるコース。少なめの授業数から一日中びっしりまで選択肢の幅は広く、標準的な授業数のコースは費用は安め。
- ビジネスコース:ビジネス英語を学ぶコース。ある程度の英語力がある方向けの内容になっています。費用は高め。
- スパルタ規則:1日8~10時間の英語漬けプログラム。授業に加えて自習や小テストが含まれる。学校によっては追加費用が別途必要な場合がある。
- 試験対策コース:TOEICやIELTSのスコアアップを目指すプログラム。特にIELTSコースは人気のコースです。実績のある学校では費用は相対的に高め。
お部屋タイプの選択肢と費用の違い
語学学校が提供する寮(宿泊施設)は、主に以下のような選択肢があります。
- 1人部屋:プライバシーを重視したい方、自分のペースで生活したい方、留学中もお仕事をされる方におすすめ。もっとも費用が高い。
- 2人部屋~6人部屋:コストを抑えつつ交流を楽しみたい方に適しています。2人部屋の費用は高め、6人部屋がもっとも安い。部屋の人数が増えるにつれて費用が下ります。※3人部屋や4人部屋までしかない学校が大半です。
- 外部寮:学校から離れた場所にある寮で、その多くはコンドミアムなど学校寮よりも整ったお部屋が多い。通学の手間はありますが自由に過ごすことができる。費用は高め。
部屋の設備にはエアコン、デスク、クローゼットなどが含まれており、快適に過ごせる環境が整っています。一部の学校ではプールやジムなどの施設が付属している場合もあります。
食事の内容と追加費用
学校では1日3食が提供され、上記学費に含まれることが一般的です。料理はフィリピン料理、日本料理、中華、韓国料理など生徒の国籍によって多彩なメニューが提供されます。いずれもご飯やおかず、フルーツが含まれることが多いです。 学校によっては土日祝の食事の提供が無いことも多いですが、友人と外食を楽しむ機会になります。外食する際の費用は以下の通りです。
- ローカルレストラン:1食あたり200~500円
- 一般的なレストラン:1食あたり1,000~2000円
外食が必要な学校の場合は、1か月あたり1万~2万円の予算を見込むと良いでしょう。
短期留学と長期留学の比較
短期(1か月以内)の留学では割高になる傾向があります。一方、1か月以上ではキャンペーン割引や、3か月以上の長期留学ではさらに長期割引が適用される場合が多く、留学費用が10,000~50,000円ほど安くなることがあります。
1か月の留学費用についてはこちらの記事『1か月のフィリピン留学費用を徹底解説|具体例でわかる必要な予算』もご参考ください。
学校に納入する費用|ビザなど留学中に必要な手続きと費用
特別就学許可証(SSP)の取得費用
SSPとI-Card(学校によってはE-Cardという名称)は全生徒が語学学校で学ぶ際に必要で、約25,000円~30,000円程度の費用がかかります。多くの学校では入学手続きと同時に取得手続きを学校が行ないます。
- SSP:フィリピンの語学学校に留学するための許可証
- SSP I-Card:SSPとセットで申請をする、語学学校に通う方の外国人登録証
ビザ延長費用
30日を超える滞在(留学期間5週間以上)ではビザの延長が必要です。こちらはほとんどの学校が手続きを行なってくれます。 30日以内の滞在(留学期間4週間以内)であればビザ延長費用は不要です。
- 延長費用:1回あたり3,400~4,000ペソ(約9,000~12,000円)
ACR-Card費用
外国人登録身分証明カード。留学期間9週間以上の方に必要な費用です。
- ACR-Card費用:3,500ペソ前後(約10,000円)
学校が徴収する費用
滞在にかかる電気水道代や、授業に必要なテキスト代、学校施設に関わるメンテナンス費、入寮時の空港ピックアップ費用などがあります。
学校によって各項目の費用は様々ですが、電気代は大きな割合を占めます。フィリピンの電気代は高額のため、エアコンの使い方によって費用がかさむ可能性があります。 また、最近では洗濯サービスも有料の学校が増えています。 学校費用の一例(4週間あたり)
- 水道光熱費:3,000ペソ前後(約9,000円)
- メンテナンス費:2,000ペソ(約6,000円)
- テキスト代:2,500ペソ(約7,500円)
- 洗濯サービス:1回あたり200ペソ(週2回×4週=約4,800円 ※目安)
- ピックアップ費用:1,200ペソ(約3,600円)
- 寮のデポジット:3,000ペソ~(約10,000円前後)※部屋に毀損がなければ卒業時に返金
渡航費|フィリピンへの行き方とコスト
フィリピンへの航空券の相場
日本-フィリピン間のフライトは多くの便が運行しています。主に成田や関空からはセブ直行便もあります。名古屋や福岡など地方空港からはマニラ直行便も多いです。 留学生の方によく利用されているのは『セブパシフィック航空』、『フィリピン航空』で、便数も豊富です。 参考までにフィリピン・セブへの往復航空券の費用は以下の通りです。
- 直行便:5万~8万円程度(受託荷物含む)
- 経由便:4万~6万円程度(韓国経由/受託荷物含む)
費用が安い経由便の場合は韓国・仁川経由が多いですが、時間が深夜早朝のため不便な場合があります。
学校までのアクセスとピックアップ費用
多くの語学学校では、空港から学校までの送迎サービスがあります。空港で学校スタッフがピックアップしてくれるので学校まで安心して向かうことができます。
- 費用:無料~9,000円の範囲(学校までの距離が近いセブは安く、遠いバギオは高め)
- 移動時間:セブ空港から学校までの所要時間は30分~1時間程度が一般的。バギオの場合はマニラ空港から約6時間、クラーク空港から約4時間程度。
ピックアップを利用しない場合はご自身でタクシーで学校へ入寮します。安全性を考慮し、可能であればピックアップサービスを利用することをおすすめします。 帰国の際の学校から空港まではご自身で移動するのが一般的です。セブではタクシーで1,500円程度、バギオでは2,000円程度です。
留学中のもしもの時のため|海外旅行保険
海外での留学生活、体調を崩してしまう方も少なくありません。そのため学校では加入を強く推奨しています。
学校には常駐ナースがいるところもあれば、定期的に医師の往診がある学校もあります。また、各学校では提携している病院がそれぞれあります。 病院にかかる場合は海外旅行保険へ加入していると、高額な医療費の心配が軽減されます。クレジットカード付帯の海外旅行保険でカバーされる方もいますが、適用条件は必ず確認してください。
一般的な海外旅行保険の費用目安は以下の通りです。
- 1か月:約1万円
- 2か月:約3万円
- 3か月:約5万円
現地での生活費|生活に必要なコストと注意点
交通費の目安
フィリピンの公共交通機関は非常にリーズナブルです。
- ジープニー:1回40~50円程度
- タクシー:初乗り約100円、長距離でも1,500円程度(友人数人で乗れば格安です)
- バス:約150円~
留学中はタクシーの利用が一番多いでしょう。友人と複数人で利用することで一人当たりの費用は安く抑えられるのでおすすめです。 ジープニーは留学生活に慣れないうちはおすすめしませんが、講師と一緒に行動するときには良いかもしれません。 これらを利用することで留学中の交通費を抑えられます。
観光や日用品の費用
留学中は友人と観光に出かける機会もあります。また、日々の生活に必要な日用品の購入も必須です。 ツアー料金や、日用品などの料金目安は以下の通りです。
- 日帰りツアー:約10,000円~
- トイレットペーパー(4ロール):約400円~700円程度
- Daisoでの買い物:一点300円程度~
- カフェでのドリンク:約300~500円
- レストランでの食事:約1,000~2,000円
- ファーストフード:約500円程度
日用品は意外と高いです。1か月のお小遣い費用の目安は20,000~50,000円です。
通信費とインターネット利用料
フィリピンのインターネット環境は日本に比べて弱いです。 学校にはWi-Fi環境があるところが一般的ですが、現地のSIMカードを購入すれば外出時にも便利です。
- SIMカード:250~300円程度
- 通信費:2Gで300円~、6Gで600円~というプランもあり。
フィリピン留学の費用の目安についてはこちらの記事『フィリピン留学の費用と相場について』もご参考ください。
まとめ|留学費用の内訳を把握して無駄のない留学を
フィリピン留学の費用の内訳は、「学費・滞在費・入学金」「学校納入費用」「渡航費」「海外旅行保険」「生活費」の5つです。全体の費用を正確に把握し、予算に合った留学プランを立てることで、充実した留学生活を送ることができます。
この記事を参考にして留学の計画を立てる際には、こちらの記事『フィリピン留学費用を安く抑える方法|節約術も教えます』もあわせてご覧ください。
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