南国特有の病気と対策

当社が掲載する「南国特有の病気と対策」の根拠とは?

当ページの内容は、セブ市の総合病院セブドクターズにあるジャパニーズヘルプデスク(J.H.D)の職員・所属医師に掲載内容を相談させていただき、留学生がかかりやすい病気や、特に予防に努める必要がある病気などを優先順位の高いものから掲載しています。

フィリピン・セブには、日本には無い南国特有の病気があり、ほとんどの留学生は重篤な病気にかかることなく留学を終えていますが、セブにどんな病気があって、どんな症状があるのか事前に知り、感染予防に努める事が大事です。
もしも、ケガをしたり、気になる症状がある場合は、深刻になる前に早めに医者に診てもらいましょう。

心配し過ぎも良くない?

外国で病気になったからといって即、特別危険な病気ということではありません。
フィリピン・セブの町には我々、セブイングリッシュの日本人職員を含む、数千人の日本人が普通に生活しています。
病気になっても、一般的には重い症状にならない留学生が多いですし、日本語環境下で医療が受けられる病院もあります。予防は怠らずに、病気になっても心配し過ぎずに冷静に対処していきましょう。

多くの病気は、小まめな手洗いや、うがい、飲み水の注意、衛生的な食事、虫刺され対策で、予防の効果があります。

  • フィリピン留学で不安に感じる点(空港待ち合わせ、治安、病気怪我予防と対策)について

セブ市総合病院の日本語ヘルプデスク

セブ市の2つの総合病院にあるジャパニーズヘルプデスク(J.H.D)では、日本人職員が日本語で患者さんのサポートをしています。もちろん、日本の各種の海外旅行傷害保険が使えます。詳しい利用方法は「病気になったら『ジャパニーズヘルプデスク』へ行こう!」に掲載しております。

詳しくは「海外旅行傷害保険」で事前に確認しましょう。

フィリピンの病院は治療前に費用支払いを求められるのが一般的です。普段から高額の現金を持ち歩くのも危険ですし、急な病気・怪我の治療の為にも、海外旅行傷害保険に加入して、十分な手持ちの現金がなくてもキャッシュレスで診療を受けられるようにしましょう。

体調に違和感を感じたら、早めに病院へ行きましょう。

セブ島の病院イメージ

なりやすい病気と対策

下痢や腹痛

食事や衛生面から下痢や腹痛になってしまう方もいますが、特に留学当初に、清潔な飲料水でも日本との水質の違いなどからお腹を壊してしまう留学生がいます。

予防

水道水は口に含まないようにしましょう。
常日頃から口に含む飲料水は学校内にある清潔な給水器の水か、販売されているペットボトルの水にしましょう。(デリケートな方は最初から給水器の水ではなくて、販売されているペットボトルの水にしましょう。そちらのほうがより安全です。)
デリケートな方は歯磨き後のうがい等でも給水器の水を使いましょう。また、手洗いを怠らないようにしましょう。

対処法

ほとんどは生活環境に慣れていくと改善されますが、症状が続く場合はお医者さんに診てもらいましょう。また、脱水症状にならないように水分補給を行うようにしてください。
フィリピンにはポカリスエットやゲータレードなどのスポーツ飲料も売られているので効果的にご利用ください。

発熱や喉の痛みを伴う風邪

熱が出て1~3日間続きます。場合によっては下痢を伴うケースもあります。また、喉の風邪のような症状になる場合もあります。

予防

こまめに手洗いと、うがいをしましょう。また、アルコール消毒で手等を消毒することも効果的です。アルコール消毒液は、ショッピングモール等で携帯用の小さいサイズから大きいサイズまで数多く売られています。現地のフィリピン人達はアルコール消毒液も併用する形で消毒をする方が多く見うけられます。現地のフィリピン人達に習ってアルコール消毒液も活用してください。
また、セブは交通量が多いエリアを中心に空気が悪いところがあります。徒歩での移動は出来るだけ控えて、安全な移動方法でもあるタクシー(車3分の距離を100円程と安価)を活用しましょう。

対処法

無理をせずに、お医者さんに診てもらいましょう。留学生の場合、無理をして授業に出続けて結果として治るのが遅くなる方や、治ったと思ってすぐに授業に出て、抵抗力が弱っていることから再発してしまう方がおりますので、十分に療養されてから授業に復帰するようにしてください。特に治っていないまま授業に出るということは他の生徒や講師達にうつしてしまい集団感染に発展する可能性もありますので、ご注意ください。また、熱が出ている場合などには脱水症状にならないように水分補給も心がけましょう。

南国特有の病気の例

デング熱

フィリピンの蚊

「デング熱」は、デングウイルスに感染した蚊に刺されることによって生じるウイルス感染症です。ウィルスを持った蚊に刺されてから3日~14日の潜伏期間の後、高熱(38~40度)・頭痛・眼窩痛・関節痛・筋肉痛・発疹などを呈します。通常は1週間ほどで解熱し、予後は良好な疾患です。

予防

服装に注意
長ズボン、靴下、できれば長袖等を身につけ、皮膚が露出されている部分を減らすようにします。また、蚊に刺されやすい場所(屋外のレストラン、アウトドアアクティビティ)に行く場合は、靴下をはいたりサンダルではなく足の指先がしっかり覆える靴をはきます。
蚊取り機器の利用
コンセントに挿すタイプのリキッド式電気蚊取り器や、蚊取り線香がセブのショッピングモール等で売られていますので活用してください。
虫除け剤の使用
虫除け剤には皮膚に直接使うものと、衣服のみに使うものの二種類があります。セブの薬局でも手軽に購入することが出来ます。いずれの製品も、必ず添付されている説明書の注意書きに沿って使ってください。

デングウィルスを持っている蚊は極々、一部なので、蚊にさされたからといって、デング熱になる可能性はそれ程、高くはありません。あまり怖がり過ぎず十分な対策をしましょう。

狂犬病

フィリピンの犬イメージ

「狂犬病」は、犬、猫、ねずみ、コウモリなどに噛まれることによって生じるウイルス性の人獣共通感染症です。主に噛まれることから感染しますが、稀なケースでは動物のくしゃみなどからも感染する場合があります。潜伏期間は1~2ヶ月ととても長く、潜伏期間は診断する術がありませんが、疑わしい場合はこの間に治療を始めなくてはなりません。前駆症状としては、悪寒、熱、疲れなど。急性期では、水を飲もうとしたり冷たい空気にさらされると異常なケイレンをおこす発作がおこる恐水病(hydrophobia)になります。また、音に敏感に反応したり、唾液が口からたれるといった症状がみられ、やがて呼吸が止まります。

予防

むやみに動物に近づかない、触らない! フィリピンの街には野良犬、飼われている場合も放し飼いの犬がいます。野良猫等も日本と同じ感覚でむやみに触れないようにしましょう。また、餌付けなどもしないようにしましょう。
服装に注意
長ズボン、靴下の着用を心がけ、皮膚が露出されている部分を減らすようにしましょう。

治療法

アルコール消毒&ワクチン接種
発症する前に対処する必要があります。もし、動物に噛まれたら、まず傷口を石鹸水でよく洗い、消毒液やエタノールで消毒します。狂犬病の病原体は弱いそうなので、大抵はアルコールなどで死滅するそうです。そして、できるだけすぐにワクチン接種を受けましょう。総合病院のジャパニーズヘルプデスクでワクチン接種についても相談にのってくれます。アルコール消毒液は、ショッピングモール等で携帯用の小さいサイズから大きいサイズまで数多く売られていますので活用してください。

9,000万人強の人々が暮らすフィリピンで、毎年300人ほどが狂犬病で亡くなっていますが、可能性としては決して、よくある病気ではないので、予防法や対策さえ知っていれば問題なく対処ができます。

経口感染症~アメーバ赤痢・腸チフス等

アメーバ赤痢について
「アメーバ赤痢」は、、原虫(アメーバ)が、主に腸管内で増殖することによって発症する病気です。2~3週間の潜伏期間の後、断続的な下痢が起こり、ガスがたまり、けいれん性の腹痛が起きます。典型的なアメーバ赤痢では、イチゴゼリー状の粘血便を排泄しますが、数日~数週間の間隔で、症状と寛解を繰り返すことが多いです。
腸チフスについて
「腸チフス」は、腸チフス菌という細菌が感染しておこる病気です。
38~40℃の発熱があります。また、夜間に高熱、朝は微熱という比較的特徴的な発熱、頭痛や寒気、だるさを感じます。下痢、吐き気、嘔吐などの症状は少なく、むしろ便秘になります。特徴的な症状として胸やお腹、背中などに直径2~5mm程度のピンク~赤色の発疹(バラ疹)が出ます。

予防

食べ物に注意!
生もの、生水、氷に注意しましょう。学校内では、必ず給水機の水(または、ペットボトルで販売されている水)を飲むようにし、レストランなどでもペットボトルの水を注文して飲むようにします。食品は、しっかり加熱されたものを食べるようにします。
(歯磨きのうがい等も、学校内にある給水機の水を利用しましょう。)
不衛生な飲食店や屋台などでの飲食を避ける。
手洗い、うがいをする!
帰宅時、食事の前、トイレの後は、石鹸で手を洗う。
手拭き用のタオルは共用せず、ペーパー・タオルや個人用タオルを利用するようにしましょう。

皮膚炎

日本人は、暑さに慣れているフィリピン人に比べて汗を大量にかきやすく、肌がいつも湿っているので、細菌が皮膚の上で増殖しやすく、かびにも好まれ白斑状の白癬(はくせん)や乾癬(かんせん)、あせもや疥癬(かいせん)など皮膚病にかかる可能性がフィリピン人よりも高くなります。
フィリピンの環境が日本に比べると良くないので、様々な皮膚のアレルギー反応を起こす方がおります。例えば、強い日差しによる太陽アレルギーや、汗をかいたあと細菌やカビが皮膚上で繁殖する微生物によるアレルギー、現地の歯磨き粉や、シャンプー、石鹸が合わなかった場合にも発疹や、かゆみの症状が起こる可能性があります。

予防

服装に注意
長袖、長ズボンなどの着用を心がけ、皮膚が露出されている部分を減らすようにしましょう。
汗をこまめに拭き、肌を清潔に保ちましょう。
現地のモノを使って肌に合わないと感じたらすぐに使用をやめて、病院に行きましょう。
(セブ市内の日本食材店・町屋マートでは、日本のシャンプー、石鹸なども手に入ります。)

虫にさされた場合、できるだけ掻かずに虫刺されの薬を使う。
虫刺されの小さな傷跡や、すり傷等があるときに、プールや海に入らない。

結核

「結核」は、結核菌が人から人に感染することによって主に肺に炎症を起こす病気です。結核菌は重症の結核患者の咳やくしゃみで飛び散り、それを別の人が吸い込むことによって移ります。(空気感染)せき、たん、微熱など、風邪によく似た症状が出ます。症状が続くようでしたら病院へ行きましょう。症状が重くなると、肺出血による喀血なども起こり、放置していると大事に至る場合があります。

予防

日頃の体調管理をしっかりしましょう。結核菌を吸い込んでも、発病する人は10人に1人か2人の割合です。結核菌はしぶとく、体内に休眠状態で生き続け、私たちの免疫力が弱るチャンスをひそかに狙っています!

A型肝炎

「A型肝炎」は、A型肝炎ウイルスの入った不衛生な食べ物や飲み物によって感染します。風邪によく似た症状や、倦怠感、そのあとに皮膚や白目が黄色くみえる黄疸が出ます。

予防

道端の屋台など、衛生上あまりきれいでない場所での飲食、氷等に注意しましょう。(屋台で使う食器は使いだめしたバケツの水で洗っていることが多く不衛生な為ウイルスがある可能性が一般的なレストランよりも高いです。)
予防接種が可能です。

B型肝炎

「B型肝炎」は主に性行為や注射器の共用などで感染している人の血液が傷口などをとおして体内に入ることで感染します。通常の留学生活においては感染する可能性が低い病気です。大抵は、倦怠感と微熱が続き、食欲不振の症状が出ますが、まったく症状が出ないで気づかずにいることがあります。気づかないままいると肝硬変や肝臓がんを誘発する可能性があります。

予防

予防接種が可能です。
風俗店などに出入りしないようにしましょう。

予防接種の必要性

これまで当社をご利用いただいたセブ留学の卒業生で、留学に合わせて特別に予防接種をして来られた方は稀なようです。ただし、だからと言って、上記に挙げたような病気の感染リスクがないわけではありません。心配な方はこれらの病気がセブには存在することを考慮して日本にいる間に医師に相談して予防接種を検討いただき最終的な判断をお願いできたらと思います。また、留学を開始してからも心配な場合は、前述の総合病院のジャパニーズヘルプデスクで予防接種やワクチン接種についても相談にのってくれます。
(2023年追記 近年、とある語学学校で風疹が流行ったことがありました。事前予防接種の参考にしてください。)