留学中に知っておきたいフィリピンの法律や条例5選

Cebu Business Parkセブビジネスパークの交通ルール注意書き

こんにちは。

フィリピン留学エージェント、セブイングリッシュのケイコです。

“When in Rome, do as the Romans do.(郷に入っては郷に従え)”

風俗や習慣はその土地や国よって違うので、その土地・国の風俗や習慣に従うべき、という諺ですね!

留学前にはフィリピンの観光やレストラン情報、交通事情や文化など、ワクワクしながら調べてこられる方が大半だと思います。

今回の特集は、留学中に知っておきたいフィリピンの法律や条例について。

フィリピン留学生活や街中散策の時に守るべきルールを見てみましょう!
(詳しく知りたい方は旅行ガイドブック等をご参照ください。)

1. Segregation of Trash ゴミの分別

Segregation of Trash フィリピン・セブ島のゴミの分別

日本の感覚でついつい、可燃ゴミと不燃ゴミに分けてしまいそうですが、フィリピンでのごみの分別は主に下記の3通り。

・Biodegradable・・生分解性のゴミ
・Non- Biodegradable・・不生分解性のゴミ
・Recyclable・・再生利用可能なゴミ

生分解性とは、物質が微生物によって分解される性質を指しています。
一見、同じように見えるものでも、生分解性プラスチックでできている物は“Biodegradable”に分別します。

燃えるか燃えないか?ではなく、土に戻るか戻らないか?が判断基準になるので、フィリピンにいる間のごみの分別はちょっとややこしく感じるかもしれませんね。

セブ島の街角を走るゴミ収集車

ゴミ収集の様子です。

自治体によってルール適用の厳しさはやや異なりますが、分別が守れていない家や建物のゴミ回収をしないという罰が課されることがあり、少人数のルール違反がご近所全体に迷惑をかけてしまうことも!

語学学校では、公共スペースでのゴミ分別に関してルールを守らない場合やポイ捨てが発覚した場合には、警告の対象になるところもあります。

学校の案内に沿ってゴミの分別を心がけましょう。

1-1. 生分解性のゴミの処分

セブ島の生分解性ゴミ処分
引用元:https://www.waste.ccacoalition.org/sites/default/files/files/Cebu%20City%201%20Philippines_0.pdf

セブ市が発表している統計によると、セブ市のゴミの実に7割近くが有機性ゴミとのこと。

セブ島のローカルの人々の生活を支えているカルボンマーケットでは、売れ残ったり腐れてしまった野菜や果物等のゴミが週にトン単位で破棄されているそうです。

カルボンマーケットを始め、市内で集めれた土に戻る有機性ゴミは、セブ郊外でミミズ堆肥化されて、豊かな土へと分解されていきます。

ミミズが分解する、というイメージだと、ゴミの分別がしやすいですね!

生分解性のゴミを出すときには、可能であればビニール袋ではなく、茶色い紙袋に入れて出すように心がけましょう!

1-2. 不生分解性のゴミの処分

セブ島の不生分解性ゴミの処分
引用元:https://www.waste.ccacoalition.org/sites/default/files/files/Cebu%20City%201%20Philippines_0.pdf

日本のように焼却場がないフィリピンではゴミは埋立処分されています。

埋立地が溢れてしまい、もはやゴミ放棄場、スモ―キーマウンテン状態になってしまっている埋立地も。

有名なのは、マニラのトンド地区にある「スモーキー・マウンテン」。

名前の由来は、ごみの山が自然発火して燻る煙が昇る様子から名づけられているのですが、ただゴミの山という訳ではなく、東南アジア最大のスラム街にもなっていて、ゴミの山からまだ売れるものを回収して生計を立てているホームレスの人々が多く生活しているエリアでもあります。

実はセブにもイナヤワンという地区にマニラよりも規模はだいぶん小さいのですが、「スモーキー・マウンテン」があります。

国際協力ボランティア団体DAREDEMO HEROでは、イナヤワンの人々への支援活動を行っていますので、ボランティア活動に興味がある方は問い合わせてみてください。

ゴミの分別について 引用元:Ordinance no. 2031

2. Jaywalking 交通規則や信号を無視して街路を横切る

フィリピンでも交通規則や信号を無視して街路を横切るジェイウォークは禁止

“No Jaywalking”のサインは横断禁止の意味です。

写真のようにフィリピンではサインがあっても平気で渡る人がとても多いので、意識してサインを見ていないと横断禁止のエリアとは分からない場所も結構あります。

セブ島アヤラモール近くの交差点

交通量が多い道の十字路付近には、保安官が取り締まりをしていて、横断禁止の場所で道を渡ったり、信号無視をする人をその場で呼び止めて罰金を徴収しています。

観察していると、人の波に乗って一緒に渡ってしまって保安官に呼び止められているのはフィリピン人よりも交通事情をよく知らない外国人が多い気がします。

“みんなで渡れば怖くない”など思わないようにしましょう!

フィリピンでは車は右側通行なので、道を渡るとき「左、右、左」の順に確認してください。

セブ島アヤラモール近くの交差点の横断歩道

横断歩道ですが、手前のように横線が数本入っているデザインのもあれば、奥側のように縦線が2本、枠のようになっているデザインのものもあります。
(赤信号でも堂々と渡る人、、良く見かけます。。)

引用元:Ordinance no. 1514

3. Anti-Mendicancy Law 金銭や物を渡すこと

貧富の差が激しいフィリピンでは、道端やお店の内外でストリートチルドレンやホームレスの人、苦学生を名乗る人から金銭や食べ物の援助をお願いされることがあります。

裸足で擦り切れた服を着ている小さな子供が悲しげな表情でお金を頂戴と手を差し伸べてきたり、赤ちゃんを抱いた若い母親が道端でうずくまって通行人に手を差し伸べている姿を見るのはショックと同時に、何か助けになりたいと思う留学生も多いと思います。

ただ、金銭や食べ物や物品の施しは禁止されていますのでご注意を。

大統領令には下記の記載があります。

“Any person who abets mendicancy by giving alms directly to mendicants, exploited infants and minors on public roads, sidewalks, parks and bridges shall be punished by a fine nor exceeding P20.00.”ーPRESIDENTIAL DECREE No. 1563 Sec. 5. から抜粋

人の哀れみにすがっていては自立が遠のくという理由もあり、政府機関か合法的な自立支援組織を通して提供される食事の援助や自立支援プログラムの活用を促すという目的があるそうです。

サポートをしたい人は、個人に直接物を渡すのではなく、公的・民間機関への寄付が推奨されています。

人助けのつもりでも、金銭や物品をあげることは法に抵触しますし、あげる側ももらう側も罰金が科されることになります。

また、あやふやに困った笑顔を向けて立ち止まったり、物をあげるそぶりを見せると、ストリートチルドレンが群がって付きまとわれ、そのすきにスリに遭うという被害報告も出されています。

できないことはできないと、“Sorry”と時にはきっぱりと伝える強さも必要です。

セブ島では日系のボランティア団体がストリートチルドレンや貧困地区の方々へのサポートを行っており、留学中も参加できるアクティビティーがあるので、貧困の実態を知りたい方やボランティアに興味がある方はボランティア団体を通して活動に参加してみることができます。

4. Smoking Area 禁煙場所

フィリピンの禁煙場所についての注意書き

設置されている喫煙場所以外での喫煙は禁止されています。

学校、エレベーター、階段、非常口、医療機関、調理場等では全面禁煙です。

違反時の罰則は500ペソ~10,000ペソの罰金が科されます。

語学学校では、寮内で禁煙で、屋外に喫煙所が設けられているところがほとんどです。

引用元:Executive Order No. 26

5. Smuggling 密輸

ワシントン条約が規制する動植物、またフィリピン政府が国外への持ち出しを禁止している動植物を持って帰らないようにしましょう!

詳細は「知らなかったは通用しない!海外で「いきもの」の持ち出しで逮捕されるケースも」もご参照ください。

まとめ

知らずに違反しても外国人だからといって見逃してもらえません!

留学中に知っておきたいルール5選のおさらいです。

1.ごみの分別
2.交通規則や信号を無視して街路を横切ること
3.物乞いの人への金銭を渡すこと
4.喫煙エリア以外での喫煙
5.動植物(生き物)の密輸

その他知っておきたいポイントとして、市の条例で大型ショッピングセンターではビニール袋が配布されない曜日があります、「セブ島の買い物はエコバッグを持っていこう!」も併せて読んで見てください。

しっかり頭に入れて“law-abiding citizen(遵法者、善良な市民)”としてセブ島生活を楽しみましょう!

Author: 阿部 桂子

セブイングリッシュのお客様&経理担当。2006年からフィリピン在住し、フィリピン大学セブ校マスコミ科を卒業。セブ島現地のことに精通している。