【4/27歴史が動いた!】フィリピンの英雄、マクタン島の首長ラプラプ王VSマゼラン

ラプラプ王

こんにちは。

フィリピン留学エージェント、セブイングリッシュのケイコです。

セブ島留学ではマンツーマン授業が多く、自分の意見や考えを話す機会も沢山あります。

フィリピン人の先生が挙げる話題の一つに「歴史上の好きな人物」というトピックがあります。

「歴史上の好きな人物」について語るというお題、TOEFLのスピーキングテストにも出題される定番テーマなので、自分が好きな人物について英語で話せるようになっておくといいですね!

さて、フィリピンの歴史で有名な人物で、セブ島にゆかりのある英雄、ラプラプ王をご存知でしょうか?

セブ島留学中にあちこちで見かける名前だと思います。

そんなラプラプ王についての豆知識をご紹介!

1.フィリピンの英雄、ラプラプ王

マクタン島沿岸部

時は16世紀初頭、大航海時代の真っただ中、ポルトガル人のフェルナンドマゼランがスペイン艦隊を率いて人類初の世界一周航海に向けて遠征をしていました。

航海の途中、フィリピンに立ち寄ったマゼランは、セブ島でキリスト教の布教を始めますが、布教の名のもと、時には武力で脅しながら改宗を迫ったためフィリピン人の反感を買います。

セブ島を治めていたセブ王(フマボン王)との関係は良好でしたが、お隣のマクタン島を治めていたラプラプ王はマゼラン軍に従おうとしなかったため闘いになります。

1521年4月27日、マクタン島の現在のマクタンシュライン沖で、ラプラプ王と彼が率いる戦士たちがスペインの侵略者を撃退、指揮官のフェルナンドマゼランは戦死。

ラプラプ王はヨーロッパ人からの侵略を防いだ最初のフィリピン人として、今でも「フィリピンの英雄」という扱いをされています。

フィリピンの英雄

世界史で「1522年マゼランの艦隊が世界一周を達成」と覚えた記憶がありますよね?一般的にマゼランにスポットが当たる事が多いと思いますが、フィリピンでは、マゼランよりもラプラプ王が圧倒的に人気です。

例えば、戦いの舞台となったエリアはラプラプ市と呼ばれています。4月27日は、Battle of Mactanという祝日で学校も仕事もお休み!(2019年は4/27は土曜日なので開校日には全然影響ありません。)

また、ハタ科の白身の高級魚もラプラプは、ラプラプ王にちなんで命名されています。

ラプラプ像

写真はラプラプ王とマゼランが戦った跡地にある記念公園のものです。

マクタン島だけでなく、マクタン島のお隣りのセブ島のセブ市庁舎でもなんと、ラプラプ王のモニュメントが!(ラプラプ王と同時代に、セブ島にはセブの王様が別にいたんですが、、、)

スターバックスのご当地マグカップにもラプラプ王のモニュメントが描かれているほどです。

フィリピンの方はラプラプ王を本当にリスペクトしています。

2. マゼラン軍とラプラプ軍の戦い

マクタン島の5ツ星ホテル、クリムソンホテルに宿泊した時、偶然マゼラン軍とラプラプ軍の戦いのパフォーマンスがありました。

ストーリー性のあるパフォーマンスで戦いの様子がリアルに伝わりました。

戦いの前

フィリピンは母系社会と言われていて、女性の社会的地位が高い文化です。

序盤、女性たちの壺を使った伝統的なダンスでパフォーマンスが始まります。

ラプラプ王の登場

マクタン島の首長・ラプラプ王の登場です。

そのころマクタン島のお隣り、セブ島では何やら不穏な動きが。

スペインを発った冒険家マゼランが西回りの航路で歴史上初めて太平洋を横断、そしてフィリピン(セブ島)へ到達し、セブ王(フマボン王)と交流を図りキリスト教の布教を推し進めます。

ついにマクタン島へも布教名目の侵略の手が迫ってくることに!

インドネシア人の通訳・エリンケの登場

個人的にお気に入りのキャラ、エリンケ。

洋画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック・スパロウを連想させる衣装の人物です。

エリンケはマゼランの奴隷兼通訳として、航海に同行していた若者でマレー語に通じており、セブ王とマレー語で会話したそうです。

ラプラプ王との戦闘で傷を負いながらも航海を続けて世界一周を達成した人物と言われています。

ラプラプ軍とマゼラン軍のバトル

エリンケが頑張って交渉を試みるものの(ややラプラプ王に対して上から目線な感じの態度でしたが)ラプラプ王はマゼラン側の要求を撥ねつけて戦闘シーンに。

闘いの日、ラプラプ王率いる150人の戦士がマゼラン軍の下船を待ち構えていました。

サンゴ礁に囲まれたマクタン島は遠浅で、引き潮をを狙った戦闘開始のタイミングでは、マゼランの艦隊は沖に停留したまま船に積んだ大砲も球が岸に届かず威力を発揮できません。

マゼラン軍は下船して白兵戦となるわけですが、重い甲冑に身を包んだマゼラン軍よりも身軽なラプラプ軍の方が有利な戦いになりました。

フィナーレ

激しい戦の末にマゼランはラプラプ王に打ち取られ、マゼラン軍は敗走します。

マクタン島にはまた平和が戻り、ラプラプ王は勝者のオーラをまとってパフォーマンスの幕引きです。

最後には観客との写真撮影タイムがあり、会場が盛り上がりました!

 

翌日のビーチの眺めです。

約500年も前の歴史の一コマに思いを馳せながら、気持ちよく朝日を浴びました。

まとめ

セブ島留学中のマンツーマン授業で出題の多いトピック、「歴史上の好きな人物」や「歴史上の尊敬する人物」。

スピーキングのフリートーキングの時間に、生徒からフィリピン人講師に話題を提供することもできるので、フィリピンの歴史上の好きな人物は誰かを尋ねてみても面白いと思います。

ラプラプ王の他に、フィリピンの英雄と言えば「ホセ・リサール博士」も有名です。

Author: 阿部 桂子

セブイングリッシュのお客様&経理担当。2006年からフィリピン在住し、フィリピン大学セブ校マスコミ科を卒業。セブ島現地のことに精通している。